第2回:シールの分類 – 動的シールと静的シール
前回は「メカニカルシールってなに?」をご紹介しました。
今回は一歩進んで、シールの分類について整理してみましょう。
シールは用途や使用環境によってさまざまな種類がありますが、
基本的な考え方としては、「動く部分をシールするか」「動かない部分をシールするか」で大きく2つに分けることができます。
それが 動的シール(パッキン) と 静的シール(ガスケット) です。
動的シール(パッキン)とは
動的シール(パッキン)は、回転や往復運動など、動く部分に使用されるシールです。
機械には必ず「動く部分」が存在し、その代表例がポンプや攪拌機の回転軸、シリンダーのピストン、バルブの軸などです。
これらの部位は、回転や往復動などの動きや圧力が変動し、摩擦や振動が発生するという厳しい条件にさらされています。
そのため動的シールには、漏れを制御する性能に加え、摩耗・摩擦・圧力変動に耐える性能が求められます。
メカニカルシールやグランドパッキン、そしてリップシールは、この「動的シール」に分類される代表的なシール製品です。
静的シール(ガスケット)とは
一方、静的シール(ガスケット)は、動かない(固定された)部分のすき間に使用されるシールです。
その代表例が配管の接続部(フランジ面)、タンクのふた、装置のカバー部などです。
これらの部分は基本的に動かないため、動的シールのような摩耗は発生しません。
その代わり、圧力や温度、ボルトの締付力といった条件管理が非常に重要になります。
金属ガスケットや非金属ガスケットが静的シールの代表例です。
パッキンとガスケットの違いを整理すると

このように、用途そのものがまったく異なることがわかります。
まとめ
メカニカルシールは「動的シール(パッキン)」に分類されます。
ポンプや攪拌機の軸が回転している状態でも、漏れを制御し安全かつ安定した運転を可能にしています。
そのため、化学プラント、水処理設備、食品・医薬品製造設備、発電所など、高い信頼性が求められる産業分野で広く採用されています。
私たちの生活に必要な、あらゆるものを生産する現場で使われているのがメカニカルシールです。
次回は「メカニカルシールの構造 – 必須4要素の役割」について解説していきます。


