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第3回:メカニカルシールの構造-必須4要素の役割

メカニカルシールの構造 – 必須4要素の役割
これまでのコラムでは、「メカニカルシールってなに?」「シールの分類と位置づけ」について解説してきました。
今回は、メカニカルシールを構成する基本構造に焦点を当て、なぜ漏れを制御できるのかを部品ごとの役割から解説していきます。
メカニカルシールは一見複雑に見えますが、機能の観点で整理すると4つの要素で構成されています。
1.回転環
回転環は軸と一体で回転する部品です。
固定環と向かい合い、密封の要となる摺動面を有しています。
主な役割は軸の回転を摺動面に伝え、固定環の摺動面と接触し液膜を形成することです。
回転環の摺動材には耐摩耗性・耐食性・耐熱性が求められ、カーボン、超硬合金、SiC(炭化ケイ素)などの材料が使用されることが一般的です。
2. 固定環
固定環はケーシング側(軸とともに回転しない)に取り付けられ回転しない部品です。
固定環も摺動面を有し、回転環と対になり摺動部を構成します。主な役割と材質は回転環と同様です。
ここで液膜というワードが出てきました。回転環と固定環の摺動部には、ごく薄い液膜(数μm程度)が形成され、
これによって摩耗を抑えつつ漏れを最小限に制御しています。
3.スプリング
スプリングは、回転環または固定環を軸方向に押し付け、摺動部に適切な面圧を与える役割を担います。
スプリングがあることで摺動面は常に適切な接触状態を保ち、安定した運転が可能になります。
4.二次シール
二次シールはOリングやガスケットなどで構成され、摺動面以外のすき間からの漏れを防ぐ役割を果たします。
材質には、合成ゴム(NBR、FKM、EPDM、FFKM)や樹脂(PTFE)などが用いられ、使用流体に応じて選定されます。
まとめ
4要素が連携してシールが成立するメカニカルシールは、
・回転環と固定環が摺動部をつくり
・スプリングが適切な面圧を与え
・二次シールが摺動部以外からの漏れを防ぐ
という役割分担によってシール性能を成立させています。
どれか一つが欠けても、安定した運転は成り立ちません。

次回は、「なぜメカニカルシールは漏れないのか?」
その答えとなる 液膜と密封原理 について解説していきます。

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