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第5回:メカニカルシールの選定フロー

メカニカルシールの選定フロー – 最初に考えるべき5つの要素

これまでのコラムでは、メカニカルシールの構造や密封原理について解説してきました。
では実際に、メカニカルシールメーカーがどのようにメカニカルシールを選定しているのか?
本コラムでは、選定フローの5つの基本要素を整理します。

1.液性
最初に確認すべきなのが、扱う流体の液性(性質)です。

主な確認ポイント
・水、油、溶剤、薬品
・酸性/アルカリ性
・スラリー(固形物)の有無
・揮発性、可燃性
・潤滑性の有無
液性は摺動材質、二次シール材質、シール構造に直接影響します。

2.温度 ― 材質寿命と密封安定性を左右する
  次に重要なのが使用温度です。

確認すべき温度条件
・常用温度
・最高(最低)温度
温度は摺動材質の耐熱性、二次シール(Oリングなど)の劣化、液膜の安定性に大きく影響します。
特にゴム材は適用範囲を外れると短期間で劣化(硬化や亀裂)を起こすため、最高(最低)温度基準での選定が必要になります。

3.圧力 ― 圧力によるシール方式(アンバランス形・バランス形)を決める要素
  使用圧力はシール方式そのものを左右します。

確認ポイント
・常用圧力
・最大圧力
・圧力変動の有無
圧力が高くなるほど摺動発熱が増加しトラブルの要因となるため、バランス形の採用や複式シール(ダブル・タンデム)の検討といった対策が必要になるケースもあります。
※アンバランス形やバランス形については次回のコラムで解説します。

4.軸周速
  軸周速は、摩擦・発熱・液膜形成に直結する重要な要素です。

軸周速は次の式で求められます。

軸周速が速くなると、
・摩擦と発熱量が増える
・液膜切れを起こしやすくなる
これらにより摺動材質への負荷が大きくなるため回転数だけではなく軸径も見て、軸周速を確認しています。

5.装着部の詳細
  最後に確認する項目が装着部の詳細です。

主な確認ポイント
・公差
・取付スペース
・軸振れ
・軸方向の動き
機器の仕様書に記載のない項目も確認し、装着できない、漏洩などのトラブルを防ぎます。

まとめ
選定フローをまとめるとメカニカルシールの選定は、次の順序で考えると整理しやすくなります。
・液性(何を封じるか)
・温度
・圧力
・軸周速(どれくらい速く回るか)
・装着部詳細(機器側条件)
この順序で整理することで、条件に適したメカニカルシールを選定できます。

次回は、
 「アンバランス形とバランス形 – 違いと使い分け」について解説していきます。

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