メカニカルシールとは
メカニカルシールとは
メカニカルシールは石油精製、化学、食品、医薬などの産業プラント、上下水道などの社会インフラ設備などのポンプや攪拌 (カクハン)機など、回転機械の動力を伝える軸部分(シャフト)に設置されるパッキンの一種です。軸と一緒に回転する「回転環」と回転しない「固定環」で構成され、軸に垂直な面で摺動(シュウドウ)して流体(液体、気体、粉体)の漏れを防いだり、外部からの異物侵入を制限したり、圧力を保持する役目を担っています。
メカニカルシールと回転機械
メカニカルシールが取付く機械として代表されるのが渦巻ポンプです。軸とケーシングの間には必ず隙間が存在しており、シールがなければその隙間から漏れてしまいポンプの性能を発揮することができません。ポンプというと少し難しく感じてしまいますが、私たちの生活に身近な回転機械である洗濯機もポンプと同じように水を漏らさないようシールが取付いています。
メカニカルシールの取付けられる回転機械の仕様(温度や圧力)は様々です。一品一様で設計製作し、環境汚染の防止、機械の運転の効率化による省エネ、更には機械の安全に貢献しています。日常で目にすることはないですが、縁の下の力持ちとして「漏洩を制限しながら回転軸の運動(回転)を妨げない」重要な役割を担っています。
メカニカルシールの取付けられる回転機械の仕様(温度や圧力)は様々です。一品一様で設計製作し、環境汚染の防止、機械の運転の効率化による省エネ、更には機械の安全に貢献しています。日常で目にすることはないですが、縁の下の力持ちとして「漏洩を制限しながら回転軸の運動(回転)を妨げない」重要な役割を担っています。
メカニカルシールと石油・化学プラント
石油精製・石油化学プラントや化学プラントでは様々な流体を取り扱っています。外部へ漏れ出すと環境問題となりうる有害物質や事故の原因となる高温・高圧の流体などシールには難しい条件がつきものです。グランドパッキンと比較してメカニカルシールの構造は複雑ですが、用途・条件によって適切なタイプを選択することで安全性と信頼性を確保しています。
昨今SAF(持続可能な航空燃料)や再生可能エネルギー由来の水素を利用したアンモニア製造プラントなど、環境負荷に配慮した今までにない製品に注目が集まっています。これらの新技術に対応するために、メカニカルシールの研究開発は日々進められています。
メカニカルシールと食品工場
工場では製品を衛生管理のもと安全に効率よく生産することが求められます。そこで欠かせないのが攪拌機の取付いたタンクです。一例としてマヨネーズの生産に触れてみたいと思います。マヨネーズは主に3つの原料(卵黄、植物油、酢)からできています。これらの原料と調味料を調合し、真空にしたタンクで攪拌機を回転させ乳化することでマヨネーズとなります。食品ですので異物の混入(コンタミネーション)があってはなりません。タンク上部に取付けられ外部からの異物混入を防ぎ、かつ真空を保持するという役割をメカニカルシールは担っています。
メカニカルシールと空調用冷温水ポンプ
高層ビルの空調の仕組みをご存知でしょうか。一般的には冷温水を利用して空気と熱交換を行い冷風や温風を各フロアに届けています。冷温水は低層階から高層階に渦巻ポンプで揚げられています。かつてはグランドパッキンが採用されるケースが多かったのですが、衛生面やメンテナンス性が課題となりメカニカルシールが採用される場面も増えています。ポンプのトラブルで真夏・真冬に空調が停止したことを想像してみてください。そんな当たり前の日常を支えているのもメカニカルシールです。